◆COACHは30代まで?
今日読んだ対談記事で、「COACHの財布は30代まで」という記述がありました。その記事では、妻に昔プレゼントしたものが、40代になり、財布が古くなってきた今、それより価格の安い・ランクが低い財布だと嫌がる(=もっと高いものをプレゼントしなければならない)という状況を否定的に言っていたのですが、やはりそういう年を刻んでいく毎にランクを上げていくという風潮は普通なんだなと、改めて思いました。
自分もかつて、服や靴、時計などを買うとき、これは今の年齢に見合ったものなのかということを意識していました。特に時計です。20代から30代はじめの時はDIESEL、NIXON、SKAGENといったブランドものを使用していました。そんな高いものではありませんが、当時の収入からすれば、そこそこ良いものを身に着けていたと思います。 貯金とか気にしていませんでしたし。
だんだんデザインの若さが気になり(特にDIESELですかね)、身につけることは少なくなりました。30を過ぎてからは、なるべくシンプルかつ壊れにくそうで、あまり日本で有名でないブランドのものを身につけるようになります。
ただ、時計って高価じゃないですか。「30代以上のビジネスマンが着けるべき時計」みたいな記事では、OMEGAやROLEXなんかが普通に出てきますが、良いものだと100万円を超える。30代の年収なんて大卒の一般サラリーマンだったら500~700万円くらいですよね?手取りだったらもっと低い。そこから家賃と食費、光熱費など生活費を抜いたらどれくらい残りますか?100万円なんて残りませんよね?
そういった一流の時計でなくても、SEIKOなどの国産ブランドも30代だったらこれくらい、といって10万円前後の時計が提示される。10万円でも私からしたらだいぶ高額です。
一応言っておきますが、時計に10万、100万を使うことに否定的ではないのです。良い時計には、それを支払うだけの価値があると思います。上記で上げたようなブランドは、その価値を維持するために高い品質を提供しているのです。
ただ、私の嗜好として、ステータスのためにランクの高い時計を身に着けるのは、考えられないなぁと思うのです。しかも、時計って1本じゃ足りないですよね?ビジネス用に2本くらい、休日用に1本、スポーツなどアクティビティ用に1本と、だいたい皆さん3~5本は持っているのではないでしょうか?そうすると大体、2年1本くらいは購入していませんか?であれば、そのお金は月に1回お寿司を食べに行くとか、旅行に振り替えたほうがよっぽど良いなぁと思うのです。
もう一度言っておくと、時計に投資するのも、人によってはアリだとは思います。高い時計を身に着けることで、それだけの自信というものも付くでしょう。上流の人との話も弾むかもしれません。ただ私は時計で付く自信はいりませんし、私のビジネスキャリア形成には役立たない。時計の話をするようなクライアントもいません。
やはりお金は自分への投資と、気に入ったものに使うのが一番だと思います(それが時計だという人はそれで良いでしょう。だから否定はしません)。
◆チプカシで十分
ということで、私は時計にお金を使うのは止めました。時計に数万、数十万を使う分は他のことに回しています。30代の初めに買った少し高価な時計は、ラックに置いてあり、たまにそれを腕にはめることはありますが、日常使いはしていません。
仕事で使うのは2000円程度の「チプカシ」。ご存知でしょうか?安心と信頼のカシオ計算機で出している低価格帯の腕時計のシリーズを指し、「チプカシ」と呼ばれています。アマゾンで「チプカシ」と検索すれば、1000~4000円程度の商品がいっぱい出てきます。
私は中でもアナログなものを使用していまして、何も無い日は2000円のシンプルなアナログ時計を使っています。ベルトはシリコンバンド。日付など表示もなく、ミニマルなデザインで結構気に入っています。見るからに安い商品ですが、オモチャのような安っぽさはありません。2年ほど使っていますが、今のところ、遅れたり止まったりはしていません。ちなみにシリコンバンドでは失礼かなというような面会やパーティーの時は、4000円のチプカシを身に着けます。こちらもシンプルなデザインですが、ベルトはステンレススチール。盤面には数字(1~12)はなく、若干高級感が出ます笑。
最初、チプカシを着けて出社したり、取引先に行ったりすることに若干の抵抗はありました。低く見られるんじゃないかとか、同僚や上司に何か言われるんじゃないかとか。でも、実際に何か言われたことは一度も無いですし、それによって不利益を被ったこともありません。上司には、逆に飲み会の時にネタにして、その方が良いとまで言われました。他人は自分が思うほど、私のことなど気にしていないものだなぁと改めて思います。
確かに、ある程度、見栄が必要な営業や、ベンダーさんを相手にする場合などは時計でマウントを取るのもアリなのかもしれません。ただ、私の場合は、ある程度アウトプットが分かりやすいサービスを提供する仕事ですので、取引先への外見上の見栄などは必要ないのです。
というのが、時計にお金を使うのを止めた話でした。ただ、品質の良いものを選ぶというのは大事だと思います。私の時計は2年以上支障なく使えて、デザインも悪くありません。メーカーも信頼できるカシオです。
これが靴だったらやはり数千円の商品では品質が厳しいものが多いでしょう。無印のシューズは数千円でありますが、まだ品質がよろしくない。特に革靴などはある程度、品質が保証されるメーカーのモノを選んだ方が良いかと思います。同じように、セーターなど縫製がちゃんとしたものはお値段が数万円になってしまいますが、結果的に数千円のセーターだとすぐ破けてしまったりします。またカシミヤなどの高品質な素材はやはり値段も高くなりますが、その分防寒に優れてはいますね。
用途、つまり時計であれば時刻を知る、靴であれば歩く・走る、セーターであれば防寒する、という以上の機能や高価を求める時に、どこまでお金を出せるか、それは個々人の好き好きだと思います。ただ、お金をかけないことはできるよ、というお話でした。