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国の駆け引きが産業成長を妨げる?

関税はロボットにどのような影響を与えたか?https://jp.techcrunch.com/2019/01/28/2019-01-26-how-have-tariffs-impacted-robotics/

TechCrunchの記事が面白かったのでちょっと感想を。
記事をまとめるとこんな感じです。

  • 貿易摩擦による関税率の上昇がAppleなどの業績に悪影響を与えている
  • ハイテク中心にコストが吸収し切れずロボットなど価格上昇が生じている
  • 自働化の流れを止めることはできないが、成長が阻害される可能性がある

 やれデジタルだ、AIだと仕事の自動化、効率化が進んでいる印象もありますが、やっぱり進歩・成長の足を引っ張るのは制度や規則などレギュレーション側だなと改めて思ったニュース。特にグローバルなビジネスを展開する上では、各地のレギュレーションへの対処に時間とお金が掛かることが多いと思います。

 時によっては、生産・販売のサプライチェーンを変更しなければならない。その最たるものが関税や税関の仕組みだったりします。

 関税ってややこしいもので、国と国の関係性の現れということができると思います。

 A国がB国にモノを送るとき、そのモノがB国に入る時にその価格の10%を支払わなければならない。この支払うお金が関税です。ただ、B国からA国に同じモノを送る時は、10%じゃなく5%だったり、15%だったりする。

 しかも全てが2国間で取り決められたものではなくて、地域で協定を結んだ場合などは、それに従わなければならないということもあります。昨年末に発効したTPPなんかはそういう類のものです。

 ほかに、上記の例でB国に同じモノを送る場合、C国から送れば関税を支払わなくていいよ、というケースも存在します。この場合、A国じゃなくて、C国で生産してB国に送る方が企業としては利益が大きくなります。

 中国からアメリカに輸出する場合、関税率が引き上げられています。こういったコスト負担やリスクを考えて、東南アジアだったり、メキシコだったりに工場を移管しているのが今のトレンドになってきています。時によっては、生産・販売のサプライチェーンを変更しなければならない、と書いたのはそういう事です。

 でも、これって本質的にはムダですよね。そういうニュースを見ると辟易しちゃう。国と国の都合で、関税が変わって、それによって、工場を海外に移転しなきゃいけないなんて、すっごくムダなコストだと思います。

難しい問題で、自国の産業保護ということも分かります。例えば食品。今は生産技術も上がってきていますから、昔に比べて海外のお米や野菜も味が良くなってきました。この品質は今後さらに上がっていくでしょう。安い食品がどんどん入ってきたら、日本の農業は潰れちゃうかもしれません。

 なので、関税をどんどん安くした方が良いというつもりはありませんが、他方で、保護策はいろいろ取れるはずです。そもそもお米だったり、一部の農作物は国で一定程度買い取りを行っています。国内の税金負担軽減、農薬や農機の購入負担を軽減するなどの施策があります。

 個人的には、モノやお金、ヒトが移動することで、成長があると考えています。貿易に関しては政府の役割を小さくして、政府は富の再分配や、教育、福祉を充実させるように期待したいと思います。特に成長産業に関しては、成長を阻害するようなレギュレーションはなるべくなくしてほしいですね。

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