~良いマンガとの出会い方~
マンガ好きな人って多いですよね。私も相当好きです。学生の頃は年間500冊くらいは読んでいたんじゃないかなと思います。今でも200~300冊くらいは読んでいるでしょうか。
私がマンガを読む理由はいくつかありますが、そのうち大きいなぁと思っているのが、“傑作に出会って、自分の価値観を揺さぶられる経験をしたい”ということです。
その経験はマンガじゃなくてもできると思います。美術館に行ったり、映画を観たり、旅をしたり、良いレストランで食事をしたり、いろんな作品、コンテンツ、サービス、何か大きな圧倒的なものに触れた時に、揺さぶりを受けると思いますし、私もそれを求めに色んな所に出かけたり、調べたりしています。
そういう中で、マンガの良さは、手軽さにあると思います。
文字とビジュアルを同時に読み込むことのできるマンガは、一度に多くの情報を吸収することができます。また、ストーリーが良い作品は飽きずに読み続けることができますし、コマ割りや擬音といった手法により、リズム良く、早いペースで情報を取り込めます。
単純に娯楽としても楽しいということもありますしね。
ただ、どうやって選んだら良いか分からない人も多いんじゃないでしょうか?
“良い作品に出会いたい!でも時間がないし、何を読んだら良いか分からない!”
日本のマンガ市場では、月1000冊程度の新刊が発売されているそうです。
その中から良作を選ぶなんて至難の技だと思いませんか?
私の場合は、その日にでる新作タイトルをほぼ全部見て、まず、タイトルでふるいにかけ、その後で表紙チェック、などと時間をかけてますが、もちろんそれでも良作をすべて掬い取ることはできません。駄作をつかまされることも多いですし。
ということで、セレクトは専門家に任せてしまおう!というのが手っ取り早い。
そこで参考になるのが、雑誌『フリースタイル』の特集「このマンガを読め!」です。
フリースタイルという出版社が出している、社名と同じこの雑誌は、主にポップカルチャーを取り扱った雑誌です。なんというか90年代のサブカル感が漂う、ちょっとノスタルジックな雑誌なのですが、毎年恒例として、オススメマンガを紹介する特集企画を行っています。
毎年、読むべき10作品を紹介。評論家、作家、書店員、漫画家などが選考をつとめ、ベストテン形式で優れた漫画作品を誌上で紹介するというかたちを取っています。 雑誌が選考してオススメマンガを紹介するというのは宝島社の『このマンガがすごい!』があり、認知度もそちらの方が高いですが、このスタイルで紹介を始めたのはフリースタイルが先です。
もうね、チョイスが本当に通好みなんです。参考までに2017年のトップ3を見てみましょう。
1位:スケラッコ『盆の国』リイド社
2位:大和田秀樹『疾風の勇人』講談社
3位:岩本ナオ『金の国 水の国』小学館
いかがでしょう3作品すべて知っている人はどれくらいいたでしょうか?3位の『金の国 水の国』は宝島社の『このマンガがすごい!』でもオンナ編の1位になっていたので、知っている方も多いかもしれません。私はこの1位の『盆の国』は知りませんでした。
認知度がそれほど高くない、適度に“なかなか出会えない”良作マンガを紹介してくれる『フリースタイル』。マンガ特集の最新号がちょうど、きょう12月19日に発売されていました。今年も参考にさせてもらいたいと思います。